税金

【図解】たばこにかかる税金について

毎年のように値上げが続くたばこ。
既にたばこの主要銘柄は600円前後になり、たばこにかかる税金は本体価格の6割を超えている。

さらに防衛費をGDP比2%にするために必要な財源としてたばこ税が挙げられている。1本あたり3円と報じられており、もし増税となれば一箱でさらに60円の負担が増すことになる。

取りやすいところから取るというのは今に始まったことではない。今たばこにどれだけ税金が課せられているのかを見ていこう。

 

たばこ税の見直しの流れ

ここ最近は毎年のようにたばこ税が引き上げられてきた。
1本あたり1円。一箱では20円の増税となる。これが3回行われ、計60円の増税となった。


出典:産経新聞

さらに今後は防衛費増額に伴う財源確保として、たばこ税が大幅に増額される可能性が高い。

たばこの税金割合

たばこ税の詳細な割合を見ていこう。たばこにかかる税金は大きく3つに分けられる。

・国たばこ税(国に入る税金)
・地方たばこ税(都府県や市町村に入る税金)
・消費税(商品にかかる税金)

税金を合わせると驚くことに商品価格の6割を超える。これはお酒の4割を超えるものだ。
たばこを吸うだけで、これだけの税金が取られていることになる。

しかも、国たばこ税と地方たばこ税に対して消費税もかかる。
税金が含まれる商品にさらに税金がかかる。これは完全な二重課税にあたる。

主要銘柄の価格推移

たばこの歴史を振り返ろう。

日本で最初にたばこが伝えられたのは、1543年鉄砲の伝来とともにポルトガル人によって伝えられてと言われている。江戸時代には「キセル」を使ってたばこを吸うことが流行し、明治8年(1875年)に煙草税則が制定された。

1969年に日本で初めてチャコールフィルターを採用して販売したのがセブンスターだ。
チャコールフィルターとは、たばこの吸い口に活性炭入のフィルターを取り付けたもので、ここでニコチンやタールを吸着することで、きついタバコをマイルドに吸うことができるものだ。

メビウス
(マイルドセブン)
セブンスター マールボロ
1969年 100円
1977年 150円 150円
1983年 200円 200円
1998年 250円 250円 280円
2006年 300円 300円 320円
2010年 410円 440円 440円
2018年 480円 500円 510円
2019年 490円 510円 520円
2020年 540円 560円 570円
2021年 580円 600円 600円

セブンスターは半世紀の間に6倍の値段になった。直近では20年経たずに2倍近く値上がりした。
当時は国が生産や製造を直接行っていた。そのため大量生産が可能で値段も安くすることができた。

今は喫煙率の低下に伴い産業を支えてきた葉タバコ農家が減少を続けた。2021年には日本たばこ産業(JT)が全国の葉タバコ農家の4割にあたる1729戸が今年では廃作を決めたと発表した。

たばこの販売数量と税金収入推移

喫煙率が上昇するにつれ、健康への影響にも関心が向けられるようになってきた。1930年代になって肺がんの急激な増加が見られるようになってから、たばことの関連が疑われるようになった。

日本医師会によると、たばこの害による総損失は(2015年度)は2兆円を超えるという。

健康意識の高まりと、たばこ税の値上げから、喫煙率の減少が続いている。

■性別、年齢別の喫煙率推移


出典:最新たばこ情報

喫煙率の減少に伴い、紙巻きたばこの販売数量も右肩下がりだ。
国もたばこ税を減らさないために、増税を繰り返している状況だ。

1996年(平成8年)の販売数量:3483億本
2020年(令和2年)の販売数量:988億本

上記比較すると、3分の1以下に減っていることになるが、税収はほとんど変わっていないのがわかる。

■紙巻たばこの販売数量とたばこ税の推移

出典:財務省

 

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