いつも飲んでいるお酒ですが、その中に税金はいくら含まれているのでしょうか。
知っているようで知らないお酒に含まれる税金をわかりやすく解説していきます。
お酒に含まれる酒税はお酒の種類によって変わってきます。また麦芽比率や、アルコール度数でも変わります。
そして今はビールよりも発泡酒や第3のビールが人気です。ビールより安く買えるからです。安い理由は酒税がビールに較べて安いからです。
まずは最初にビールと発泡酒の違いから説明していきます。
■目次
ビールと発泡酒の違い
ビールと発泡酒の違いは、お酒に含まれる「麦芽の割合」と「副原料の内容と使用比率」です。
麦芽の割合が50%以上のものを「ビール」、50%未満のものを「発泡酒」と明記します。
さらに麦芽に対して5%以上の副原料(フルーツやスパイス等)を加えたものは「発泡酒」に分類されます。
麦芽が多いのが「ビール」。果実やスパイスを加えたものが「発泡酒」という位置づけです。
そして発泡酒はビールに較べて安く売られていることが多いですが、それは酒税が安いからです。
お酒にかかる税金一覧
発泡酒酒類の税金一覧
お酒の種類 | 麦芽比率等 | 1kリットルあたりの税率 | 350mlあたり税率 |
ビール | 麦芽比率50%以上 | 200,000円 | 70円 |
発泡酒 | 麦芽比率50%以上 | 200,000円 | 70円 |
麦芽比率25%以上 | 167,125円 | 58.49円 | |
麦芽比率25%未満 | 134,250円 | 46.99円 | |
その他の発泡酒 | 第3のビール | 108,000円 | 37.8円 |
チューハイ | 80,000円 | 28円 | |
ワイン | 果実酒 | 90,000円 | 31.5円 |
ウイスキー | ブランデー、スピリッツ含む | 370,000円※ | 129.5円※ |
リキュール | 甘味果実酒 | 120,000円※※ | 42円※2 |
※ 37度を超える1度ごとに10,000円加算される
※※ 13度を超える1度ごとに10,000円加算される
お酒にかかる税金はこれだけではありません。さらに上乗せされて消費税かかります。
そしてお酒は軽減税率(8%)の対象にはなりません。10%です。
酒税と消費税を足した額がお酒に対する税金です。
350mlのビールにかかる税金
スーパーで売られてる税込み219円の350ml缶にかかる税金はいくらになるのでしょうか?
350mlにかかるビールの税率は41.1%です。
なんと、4割もの税金が価格に含まれているのです。
税込み219円だった場合、かかる税金総額は89.91円。
税金を抜いた純粋なビールの値段は129円です。
さらに、ここでおかしな現象ですが、酒税も含めたお酒の価格に対して消費税10%がかかっています。
これが二重課税と呼ばれるものです。酒税に対しても10%の消費税が取られているからです。
お店でビールを頼んだ場合の内訳
例えば、お店でビール1杯500円外税(350ml相当)を頼んだとします。
・酒税:70円
・消費税:50円
・店側の取り分:301円
・実際のお酒:129円
--------------------
計550円
このような計算です。
※店側はお酒を大量に仕入れるため、実際のお酒の値段な安くなるはずです。
1杯飲むだけで、実に4倍近くも高い料金を払っていることがわかります。
家でゆっくり飲んだほうが良いかもしれませんね。
酒税の年度別推移
酒税は年々減少傾向にあります。ピークである1994年に較べ半減しています。
お酒を飲む量も、1995年度は成人1人当たり100リットルだったのが、2020年度は75リットルまで落ち込んでいます。
※出典:国税庁
昨今、若者がお酒を飲まなくなったと言われていますが、そのことが税収まで影響を与えています。
国税庁は危機感を覚えたのか、お酒の需要喚起に向けた「サケビバ!」というコンテストを税金を投入し2022年に開催しました。
国が勧めている健康促進と真逆のことをやっていることから、一部非難を受けました。